初めてのレーザー脱毛：施術の流れと注意点

はじめに

レーザー脱毛は、毛根に含まれるメラニン色素に選択的に作用するレーザー光を利用し、発毛組織を破壊することでムダ毛の再生を抑制する美容医療施術です。エステサロンで行われる光脱毛（IPL）と比較すると、出力が高く、より確実に減毛・抑毛効果を期待できます。

本記事では、レーザー脱毛の基本原理から施術の流れ、痛み・副作用、施術後の注意点、効果・回数の目安、料金相場、クリニック選びのポイントまで、初めての方にもわかりやすく解説します。

1. レーザー脱毛とは？

医療用レーザー脱毛とは、特殊な波長のレーザー光を肌に照射し、毛根のメラニン色素に熱ダメージを与えることで、毛を生やす組織（毛乳頭・毛母細胞）を破壊し、発毛を抑制する施術です。永久脱毛ではなく「永続的な抑毛・減毛」が目的ですが、照射回数を重ねることで自己処理の手間をほぼ不要にすることが可能です。

1.1 医療脱毛とエステ脱毛の違い

• 医療レーザー脱毛：医療機関でのみ使用が許可された高出力のレーザー機器を用い、毛根まで十分なエネルギーを到達させることで強力な減毛効果を実現します。厚生労働省が定める医師管理下での施術となり、安全性も担保されています。
• エステ（光脱毛／IPL）：弱い光エネルギーを広範囲に照射する方式で、一時的な減毛効果を得られますが、毛根組織まで熱が届きにくいため、毛が再生しやすいのがデメリットです。

2. レーザー脱毛の仕組み

レーザー脱毛は「選択的光熱分解（Selective Photothermolysis）」の原理を応用しています。

1. 吸光特性の利用：レーザー光は特定の波長でメラニン色素に吸収されやすい特性を持ちます。
2. 光から熱への変換：吸収された光エネルギーが熱エネルギーに変わり、毛根付近の発毛組織が加熱されます。
3. 熱ダメージによる組織破壊：一定温度以上の熱ダメージが毛乳頭・毛母細胞を破壊し、新しい毛の再生を抑制します。

3. 主なレーザーの種類

3.1 アレキサンドライトレーザー（波長755nm）

メラニン吸収が高く、比較的浅い位置にある毛乳頭に強く作用します。産毛よりも太い毛が多い方、肌色が比較的明るい方に向きます。痛みは「輪ゴムで弾かれたような痛み」が典型的です。

3.2 ダイオードレーザー（波長800～810nm）

肌への浸透深度が中程度で、肌質を選ばず均一に熱を届けられます。VIOや顔など細かい部位にも対応可能。照射スピードが速く、広い範囲を短時間で処理できます。

3.3 Nd:YAGレーザー（ヤグレーザー／波長1,064nm）

波長が長く、肌の深い層まで熱が到達しやすいのが特徴です。肌色が濃い方や日焼け肌でも比較的安全に照射可能ですが、やや痛みが強い場合があります。

3.4 蓄熱式レーザー（ハイブリッド方式）

低出力のレーザーを連続的・断続的に照射し、徐々に熱を蓄積させる方式です。痛みが比較的少なく、産毛やうぶ毛への効果も期待できます。ただし照射時間はやや長くなります。

4. 毛周期と照射タイミング

毛は成長期・退行期・休止期のサイクル（毛周期）を繰り返しており、レーザー脱毛では特にメラニン含有量が多い成長期の毛に効果があります。そのため、1ヵ月半～3ヵ月ごとの間隔で数回照射を行うのが一般的です。

5. 施術の流れ

1. カウンセリング：肌質・毛質のチェック、医療履歴の確認、施術プランや痛み対策、料金体系の説明。
2. 自己処理（事前準備）：施術前日までにシェービングを行い、ワックス脱毛や抜く処理は禁止。
3. テスト照射：肌の反応を小範囲で確認し、痛みや赤みをチェック。
4. 本照射：部位に合わせてレーザーの出力・波長を設定し、数分～30分程度で完了。
5. 冷却・鎮静：照射直後に冷却ジェルや保冷剤で肌を冷却し、炎症や赤みを抑制。
6. アフターケア：保湿とUV対策で乾燥や色素沈着を予防。

6. 痛みと痛み対策

6.1 痛みの程度

• 熱破壊式：ゴムで弾かれたような瞬間的な痛み。顔やVIOは特に痛みを感じやすい。
• 蓄熱式：熱がじんわり蓄積されるチクチクした感覚。

6.2 痛み対策

• 麻酔クリーム：照射前に塗布して痛みを軽減。
• クーリングガス／冷却装置：同時に肌を冷やし、痛みや熱感を抑制。
• 深呼吸・リラックス：緊張をほぐし、痛みの感じ方を和らげる。

7. 施術後の注意点とセルフケア

• 24時間以内：激しい運動、サウナ、飲酒を避ける。
• 1週間程度：日焼け止めを使用し紫外線予防を徹底。
• 保湿ケア：ヒアルロン酸やセラミド配合の保湿剤で乾燥を防止。
• 毛嚢炎対策：発赤やかゆみが続く場合は抗菌剤の塗布や医師相談。

8. 副作用リスクと対処法

9. 効果と施術回数の目安

全身脱毛は5～10回、ワキ脱毛は4～6回が目安です。顔やVIOは毛が太く濃いため、やや多めに必要な場合があります。施術間隔は1.5～3ヵ月に1回、毛周期に合わせて照射します。1回目から減毛を実感する方もいますが、3回目以降に効果の安定化を感じるケースが多いです。

10. 料金相場とプランの選び方

プランによっては顔＋VIO＋全身セットで割引を設けているクリニックもあります。照射回数や期間、麻酔オプションの有無などを比較検討しましょう。

11. クリニック選びのポイント

1. レーザー機器の種類：最新機器を採用し、熱破壊式と蓄熱式の両方が揃っているか。
2. スタッフの技術力：照射ムラや火傷リスクを抑えるため、経験豊富な医師・看護師が担当。
3. 痛み対策・アフターケア体制：麻酔オプションやアフターケア薬の提供があるか。
4. キャンセル・変更対応：急な予定変更にも柔軟に対応できるか。
5. 口コミ・評判：実際の施術体験談や評価を事前にチェック。

13. まとめ

レーザー脱毛は、毛根のメラニン色素に選択的に熱ダメージを与えることで高い減毛効果を実現する医療行為です。照射回数や機器の種類、毛周期に合わせた施術間隔など、適切なプランニングが効果の安定化につながります。痛みやダウンタイムを抑える麻酔・冷却対策、施術後の保湿・UVケアを徹底し、安全に通えるクリニック選びが成功の鍵です。自己処理のストレスから解放された快適なライフスタイルを手に入れましょう。